この本を読み始めてすぐに戦慄を覚えた。
冒頭から缶コーヒーが「悪魔の飲み物」、「砂糖の塊が溶けた液体」という表現で、人体にとって徹底的に悪いものとして指摘されていたからだ。
毎朝寝起きに1本、ランチ後に1本の缶コーヒーを愛飲してきた私としては、寝耳に水だった。
確かに缶コーヒーは含まれている糖分が多いということは私も薄々知ってはいたけれど、1日に2本くらいなら問題ないかなと勝手に思いこんでいた。
実はこの行為が自身の血糖値を急激に上げ、肥満を作り出す根本原因だったとは露ほども知らなかった。。。
本書によると缶コーヒーの摂取が引き起こす急激な血糖値の上昇が脳内物質を分泌させ、人間はハイな幸せな気分になるらしい。
そして人間の体はその上がった血糖値を下げるために膵臓からインスリンを分泌するのだが、血糖値が下がると今度はイライラや眠気が起こり、それを鎮めるためにまた糖質が欲しくなるという。
こうして人は「糖質中毒」のサイクルにはまっていくらしい。
缶コーヒーやジュースのメーカーは、この悪魔のサイクルに人々を巻き込んで商品の需要を増やす戦略を取っているとのこと。
何と恐ろしい話だろうか・・・
「食後の缶コーヒーはうまいなぁ」などと呟きながら、毎月ケース単位で購入していた自分のアホさ加減を今更痛感いたした次第です。
筆者はこの本で、「大半のビジネスパーソンが自分の仕事については非常に優秀でも、自分の口に入れるものについて、ひどく無知である」ということに警鐘を鳴らしている。
そして我々が多くの誤った認識をしている「食事」に関しての新しい常識を本書で次々と披露してくれる。
たとえば、
・太る原因は唯一「糖質」。(砂糖の入った飲料・ごはん・パン・麺類をいかに減らすかが肥満・病気を防ぐポイント)
・カロリーと肥満は関係ない。(たっぷりの油で調理した肉や魚で太ることはない)
・コレステロール値は食事ではほぼコントロールできない。
・果物は太る(ジュースにするのは最悪)
などなど、
今までの自分の中で常識であると思っていたことが、つぎつぎと覆されていく。
これ以上書くとネタバレになるので、詳細はぜひ本書で確認して頂きたいのであるが、
特に年齢を重ねられて、肥満に悩んでいる方には必読の書だと思う。
加齢とともに代謝は落ちていき、減量はますます困難になっていくからだ。
かくいう私もこの本を読んだのち、愛飲していた缶コーヒーをブラックに変更し、ごはんや麺類の摂取はランチ時のみに制限、甘いお菓子などの間食は原則禁止、ジュースや清涼飲料水もできるだけ飲まない生活に挑戦している。
肥満エリアにかなり足を踏み入れている私の現在の体重から10kgの減量を目指して、無理の無い程度に、この本に書かれていることを日々実践していこうと決意をしている。
ぜひとも完遂したい!(やり遂げる自信はそれほどありませんが。。。)
本書にはその他にも、体に良い食べ物、悪い食べ物について様々な情報が満載されているので、私と同じ悩みをお持ちの方にはもちろん、「食事」の質を上げて健康を維持したい、病気を予防したいという方にとっては大いに有益な本だと思います。
ぜひご一読をお勧めします。
医者が教える食事術 最強の教科書
20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
医学博士 牧田善二