演奏会本番まであと2週間を切った。
ここ数日は会社から帰って一服したら、すぐ練習を始めるようにしている。
伴奏を流すためのスマホと自分の演奏を録音するためのスマホを用意し、演奏しては録音を聴き、運指がスムーズで無い所や音の乱れた所を修正しながら、また演奏する。
先週のレッスンの時、インストラクターのK先生に、
「ピアノ伴奏の速度を、CD伴奏と同じ♪=80にしたいんですけど」と相談した。
前回音合わせしたピアノの伴奏は♪=65くらいの速度なのだが、速度が速ければ運指が難しいし、また逆に遅くてもまたリズムが取りにくくなる。
しかしこの曲自体のカッコ良さとか雰囲気は♪=80の方がより伝わるだろうと思い、自分が演奏するうえでのリスクは高まるが♪=80でピアノ伴奏をお願いすることにした。
現時点では毎日帰宅後最低でも5~6回は繰り練習しているので、さすがにそれなりに吹けるようになってきたし、運指もかなりスムーズになって音の乱れる頻度も減ってはきた。
最近は意図せずにすごい味のある音が出ている時もあって、録音を聴きながらそういうパートを発見すると自画自賛して一人悦に入ったりしている。
ただやはりアドリブパートのところはまだまだぎこちなく聞こえる部分もあり、模範演奏のような流れるようなメロディラインが今のところ再現できていない。
とにかく何度も何度も吹いて、録音して、聴いて、また吹く、をひたすら繰り返す。
おそらくこの地道な反復練習しか理想に域に達する方法は無いのであろうと悟りの境地で愚直にやるしかない。
だが練習して吹き疲れてくると、だんだん音が乱れてくるのも管弦楽器の難しいところだ。
少しマウスを咥える位置がずれ始めると、途端に音が割れたり裏返ったりする。
口の周りの筋肉が疲れて震え始めるとアンブシュアが緩み、音が細くなったり、音量が落ちてくる。
だから連続して吹くときはどうしても規則的に休憩を取る必要がある。
もちろん疲れていないときでも急に咳き込んだり、くしゃみが出たりといった生理現象や風邪気味で鼻が詰まるといった体調不良などによっても演奏が乱れるリスクもあるから特に本番では油断できない。
逆にアンブシュアや舌先をうまく使って様々な演奏上の効果を出すこともできるのが楽しさでもある。
この口廻りの筋肉の微妙な操作によって音に様々な表情を付与することは、演奏者が為しうる最も楽しい創造的行為の一つであると思う。
「自分もやっとサックスの奥深さの一端を理解できるようになってきたのかな」と思うとなんだか少し嬉しい気分になる。
今はお手本にどれだけ近づけるかということが目標であるが、自分オリジナルの音で聴く人を魅了できるようになれたらカッコイイだろうな~。
いつかそうなれるよう、コツコツと練習を継続していこうと改めて思った。
(SAXに魅せられて。。。⑥へ続く・・・)